氷点下の暖房時にもEV走行を——ガスインジェクション機能付き電動コンプレッサー

豊田自動織機は2017年2月16日、ヒートポンプ暖房システム用の電動コンプレッサーと車載高圧バッテリー用の充電器を新たに開発したと発表した。プラグインハイブリッド車(PHV)向けに開発されたこれら2製品は、2月15日に発売されたトヨタ自動車の「新型プリウスPHV」に搭載されている。

豊田自動織機の電動コンプレッサーは、量産車向けとして初めてガスインジェクション機能を搭載したという。大気から取り込める熱が少ない寒冷時、ヒートポンプは暖房能力が低下する。だが、新開発の電動コンプレッサーは同機能を通じて、一度圧縮した冷媒の一部を再び圧縮し、寒冷時での暖房能力を約3割向上することが可能だ。

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新型プリウスPHVは、このガスインジェクション機能付き電動コンプレッサーを搭載し、氷点下でもエンジンを作動させずにヒートポンプ暖房することが可能になった。そのため、氷点下の暖房時にもEV走行でき、大いに燃費を低減できる。

一方、新開発の充電器は家庭用交流電源(AC)を直流電圧(DC)に変換し、車載高圧バッテリーを充電する。バッテリーへの充電出力を従来の約1.7倍に高めた上に、ACからDCへの変換ロスを最小限にする独自の制御方式を採用して充電効率も向上した。また、これまで別体だった充電システムECUの内蔵と冷却性能向上により、約50%の小型化を実現した。

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