スパコン「Pegasus」が1W当たり41.12GFLOPSを達成し、消費電力当たりの性能ランキングで国内最高位を獲得 筑波大学

筑波大学は2023年11月14日、同大学の最新スーパーコンピュータ(スパコン)「Pegasus(ペガサス)」が、世界のスパコンランキングの一つである、消費電力当たりの性能をランキングしたGreen500リストで、国内最高位となる世界第12位にランクされたことを発表した。1W当たり41.12GFLOPS(1秒当たり411億2千万回の浮動小数点演算性能)を達成している。

Pegasusは、現時点で世界最高性能のGPU(画像処理装置)とCPU(中央処理演算装置)、大容量かつ低消費電力の不揮発性メモリと最高性能の接続ネットワークを結集したスパコンで、2022年12月に計算科学研究センターに設置された。不揮発性メモリは一般のDRAM型メモリに比べ、非常に低い消費電力で大容量のメモリ空間を提供する。

Green500リストは、毎年6月と11月に国際会議ISC(International Supercomputing Conference)とSC(Supercomputing Conference)でそれぞれ公表される。密行列の連立一次方程式を解く場合の計算性能が消費電力(W)当たりどの程度であるかを競うもので、スパコンの省エネ性能を示す指標として注目されている。Pegasusは、2023年11月に公表されたGreen500リストで、全世界で第12位、日本で最もグリーンなスパコンとしてランクされた。

この結果をもたらした最大の要因は、最新GPUを用いたことによる計算の電力効率向上に加え、通常のメモリに代えて電力効率の良い不揮発性メモリで大容量を実現したことにある。スパコンは大量のエネルギー消費が課題となっているため、省エネルギーでの計算には大きな意義がある。

Pegasusは、コンパクトな省エネスパコンでありながら、浮動小数点演算で最大6.5PFLOPS、AI処理ではこれを遥かに上回る性能を有しており、今後の最先端計算科学研究に幅広く利用される見込みだ。

また、2024年末に導入を予定している最新のスパコン技術を用いた超大型システム(Oakforest-PACS II 仮称)にも、Pegasusと同様のGPUの搭載が決まっている。電力当たり性能最適化技術も含め、PegasusのGPU利用技術の活用を進めていく。

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スーパーコンピュータPegasusが電力当たり性能で国内最高位をマーク | テクノロジー・材料 – TSUKUBA JOURNAL

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