NASA、ヘリコプター2機の自律飛行に成功――Mixed Realityで現実の飛行空域を再現

NASA/Steve Freeman

アメリカ航空宇宙局(NASA)は、2024年1月25日、衝突回避ソフトウェアの制御によって、ヘリコプター2機の自律飛行に成功したと発表した。同テストは、米Lockheed Martin傘下の米Sikorskyと、国防高等研究計画局(DARPA)との共同研究で実施された。

テストは2023年10月に実施され、離陸から着陸までを自動操縦するシステムの開発に必要なデータを収集した。最終的には、エアタクシーなど、将来の自動航空輸送手段の創出につながる技術の設計と評価が目的だ。

機体は、SARA(Sikorsky Autonomy Research Aircraft)として知られるS-76Bの改造版と、より大型のOPV(Optionally Piloted Vehicle)に分類されるBlack Hawkだ。両機は、NASAが設計した5種のソフトウェアを搭載し、SikorskyとDARPAによる自律飛行システムと連動した。

両機には監視役のパイロットが搭乗し、ソフトウェアのコマンドに対する機体の反応や、コース修正時の経路の選択結果などを観察した。また、実機に加えて150機の仮想航空機が、飛行シナリオの中に設定され、「Mixed Reality(複合現実)」の環境でテストが実施された。

さらに、パイロットと自律飛行システムとのやりとりも評価された。タブレットの操作に要した時間や、表示された情報に対する反応などを、専用設計のメガネを通して計測した。

テストは合計12回、30時間以上の飛行で70項目を確認し、自動化技術の基礎データを収集した。NASAは、収集したデータをもとに自動システム研究の統合を支援し、連邦航空局と連携して、高度な航空システムの導入を支援する予定だ。

関連情報

NASA Autonomous Flight Software Successfully Used in Air Taxi Stand-Ins – NASA

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