サンケン電気は2017年1月31日、同社独自のマルチコア構成に加えて専用コア「EPU」を搭載したデジタル制御電源向けマイコン「MD6603」を開発したと発表した。同年4月からサンプル出荷を開始し、同年10月から量産を開始する予定。サンプル価格は500円(税別)だ。
同製品は、独立した8ビットCPUと16ビット固定小数点デュアルDSPを搭載し、さらに新たに同社独自のマルチタスク処理用プロセッサEPU(Event Processing Unit)を内蔵している。EPUはゼロ時間でタスク切り替えができる16ビットプロセッサだ。TinyDSPやA/D変換器、コンパレータなどの周辺機能と連携し、デジタル制御電源に必要な複雑なリアルタイム処理を低遅延で実行する。
近年のデジタル制御電源では、通常のフィードバック制御以外にも、高効率化のためのスイッチング頻度の制御処理や複数の対応方法から構成される保護機能の実現、A/D変換結果からのノイズ除去やオーバ・サンプリング処理など、さまざまなタスクを内部で処理する必要がある。同社は、こうした要求に応えるために、今回マルチコア構成をさらに強化したMD6603を新たに開発したという。