東大ら、新磁性体「ワイル磁性体」を発見。次世代量子デバイス実現に期待

反強磁性体マンガン三スズの結晶構造と磁気構造

東京大学は2017年9月26日、理化学研究所と共同で「ワイル粒子」を磁性体の内部で発見したと発表した。同大学によると、従来の強磁性体や反強磁性体とは異なった新しい磁性体である「ワイル磁性体」の発見は世界初となる。

ワイル粒子とは質量ゼロの粒子で、2015年にヒ素化タンタル (TaAs)という半金属状態の非磁性物質中で発見された。発見以降、ワイル粒子を有した物質の探索やワイル粒子の特性を生かしたデバイスの開発が行われている。

今回発見したワイル粒子は、これまでの非磁性体で発見されたワイル粒子と発現機構がまったく異なる。物質の磁性によって創出されるので「磁気ワイル粒子」と呼ばれる。この磁気ワイル粒子の発見によって、人為的に外部磁場で物質の磁性状態を制御することで室温でも質量ゼロの磁気ワイル粒子を自在に操作することでできる「ワイル磁性体」を発見した。

ワイル磁性体は磁場が無くても巨大なホール電圧を発生させたり、固体内で磁場中の同方向の電流を誘起させるなど、これまでに無い新しい量子機能をもった得意な物質特性を室温で発現することができる。

このようなワイル磁性体の特性を活用することで、磁気メモリーや熱電技術開発に大きな進展が期待され、今後はさらに、ワイル磁性体を利用した磁気ワイル粒子で駆動するデバイスの開発に向けた研究の大きな進展が期待されるという。

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