配線やデバイス形成が困難なフッ素樹脂材料上への銅微細配線形成技術を開発――光照射で親水化に成功 芝浦工業大学

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芝浦工業大学は2020年3月31日、光照射を利用したフッ素樹脂上への簡便な銅微細配線形成技術を開発したと発表した。大がかりな装置を使わず、簡単に撥水性で他材料との接合が難しいフッ素樹脂への銅微細配線形成ができ、コストを削減できる。

フッ素樹脂材料ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、誘電率と誘電損失が小さく、高周波領域における良好な誘電特性を持つ樹脂基板材料として期待されている。しかし、極めて表面エネルギーが小さく撥水性であることから、他材料との接合が難しく、PTFE上への配線やデバイスの形成が困難だった。今回、光照射とアンモニア水溶液を用いたフッ素樹脂の簡便な親水化法を開発した。同時に、貴金属を用いないCu2+イオンを触媒とする無電解Cuめっき膜の作製と、独自開発した有機無機ハイブリッド膜を用いた銅微細配線形成技術を開発した。

フッ素樹脂の親水化には、プラズマ処理など大がかりな真空装置が必要だが、本研究ではフッ素樹脂基板を入手しやすいアンモニア水溶液の蒸気中に設置して、エキシマ光を照射し、フッ素樹脂基板表面の親水化に成功した。

この表面にはアミノ基が表面に形成され、水溶液中でこのアミノ基とCu2+イオンの間に配位結合を形成できること、Cu膜をフッ素樹脂上に無電解Cuめっきにより形成できることを発見した。独自に開発した感光性有機無機ハイブリッド樹脂材料を成膜後、フォトリソ法を用いて100μm幅の銅微細配線を形成することにも成功している。

新たに開発した手法は、通常の銅めっきに使用される貴金属Pd触媒を使用せず、配線形成がすべて常圧下でのプロセスでできる。プロセスを簡略化し、低コスト化する技術となる。フッ素樹脂は5G時代の情報の大容量高速伝送に必要となる処理性能向上の役割を期待されており、半導体などの基板へ導入できる。

フッ素樹脂上の銅微細配線(100μm)の表面

走査電子顕微鏡による表面観察とEDS(エネルギー分散型X線分光器)による元素分析

フッ素樹脂材料の応用展開に貢献する技術となっており、さらなる配線幅の微細化に向け、光照射プロセスの精密化を検討している。レーザ照射を用いたダイレクトパターニングの手法も開発しており、さらなる簡便な銅配線形成技術の開発に向けて検討するという。

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