200メートル競走で新記録を樹立するための数学的アプローチ

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CNRS/Sorbonne Université/ Université de Paris

2003年世界陸上パリ大会の男子200メートルでは、日本の末續慎吾氏が銅メダルを獲得し話題となったが、2009年にウサイン・ボルト氏が樹立した世界記録19秒19は10年以上破られていない。陸上女子200メートルでフローレンス・ジョイナー氏が樹立した世界記録21秒34に至っては、1988年以来、実に30年以上に渡って世界歴代記録リストの最上位を占めている。

フランス国立科学研究センター(CNRS)とソルボンヌ大学の研究者たちは、数学モデルを作成し、陸上競技トラックの幾何学形状を最適化すれば記録を破れることを証明した。

国際陸上競技連盟(IAAF)公認の屋外陸上競技トラックは、1周400メートルの長円形で、平行している2つの直線と直線をつなぎ半径も同じである2つのカーブから成る。スタート地点はカーブの途中にあり、カーブの走り方は記録を大きく左右するという。

研究者たちが立てた数学モデルは、最大酸素摂取量や嫌気性エネルギーなどのエネルギー学と力学とを結び付け、速度、加速度、推進力などと組み合わせて最適な走法を決定する微分方程式だ。このモデルが示すベストな競争から、陸上競技トラックの最適な幾何学形状を計算でき、その幾何学形状とレーンの種類に照らして記録との差を推定することができる。

このモデルによれば、標準的なトラックでは、直線を短くし、カーブの半径を大きくすれば、200メートル競走の記録は100分の4秒短縮可能だという。研究成果は、英国王立協会の科学ジャーナル『Royal Society Open Science』に2020年3月25日付で掲載されている。

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How to break new records in the 200 metres?

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