航空エンジニアとは?仕事内容から年収、必要な資格、将来性まで

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人類が大空に飛び立ったときから、もうすぐ120年の月日がたちます。その間に、人類は宇宙へとその活躍の場を着実に広げてきました。空への憧れは、古来より、人類共通の夢といっても過言ではないかもしれません。

航空業界の仕事にはさまざまな職種があり、その仕事は大きく「安全な航空機やロケットをつくる仕事」と「安全運航を支える仕事」の2つに分けられます。この記事では、「安全な航空機やロケットをつくる」航空エンジニアの仕事について、仕事内容や、必要となる資格、将来性などをご紹介。転職を考えているのであれば、ぜひご一読ください。(fabcross for エンジニア編集部)

航空エンジニアの基礎知識

「安全な航空機やロケットをつくる」航空エンジニアとは、どのような仕事なのでしょう?まず、航空エンジニアの基礎知識から見ていきましょう。

航空エンジニアとは

航空エンジニアとは、航空機やロケットの本体、内装部品、電気、電子装備などの開発、設計、製造に関わるエンジニアの総称です。「安全な航空機やロケットをつくる」ことに関する開発や設計、製造が職務内容となります。

航空機やロケットの本体を開発・設計・製造するエンジニアを機械系エンジニア、内装部品を開発・設計・製造するエンジニアを内装系エンジニア、電気・電装装備などの開発・設計・製造するエンジニアを電装系エンジニアとさらに細分化して呼んだりすることもあります。

このような、分類からもわかるように、業務は非常に細分化されています。一人ですべての工程を行うわけではなく、多くのエンジニアがそれぞれの専門分野に分かれて、航空機やロケットを作り上げています。

ちなみに、ここで説明する航空エンジニアとは、「安全運航を支える」ことに関する職務内容の、エアラインでの航空機の整備や点検(ライン整備やドック整備)を行う航空整備士とは、仕事の領域が異なることに注意が必要です。お仕事に応募する際は、業務内容をよく確認してからエントリーするようにしましょう。

航空エンジニアの年収

航空エンジニアの年収は、600万円程度と言われています。所属する企業の規模や勤続年数、担当する仕事の内容によって変動しますが、やはり人気の大手航空会社であれば、比較的年収もよい傾向にあるようです。

また、ほかの業種と同じように、管理職やプロジェクトマネージャーになると年収が上がる傾向にあります。どの業種でも言えることですが、年収が高くなる人はやはり「人を管理できる人」です。エンジニアと聞くと、機械と向き合っているイメージがあると思いますが、航空エンジニア業界においても、年収を上げるには管理者となる必要があるでしょう。

このほか、会社によっても福利厚生が異なります。航空エンジニアへの転職を考えているのであれば、一概に数字だけ見て判断せず、そのほかの手当てなどをしっかり確認したうえで検討しましょう。自身の航空エンジニアとしての実績をもとに、転職を行う方もいらっしゃり、これが年収アップにつながったという方も見受けられます。

航空エンジニアになるために資格や経験は必要?

憧れの航空エンジニアになるためには、実際にどんな資格や経験が必要なのでしょう?

結論からいうと、航空エンジニアになるために、必須の資格や経験はありません。ただし、バックグラウンドとして、対象となる分野の知識が必要です。

また近年、航空機やロケットのシステムは複雑化してきており、対象となる分野の知識だけでなく、機械工学や電気工学、情報工学、航空工学など、幅広い領域の知識が必要になってきています。大学の工学部や理工学部、専門学校等の教育機関で学び、航空機メーカーや航空機部品メーカーなどに就職するのが一般的なキャリアパスです。

航空機を設計する際に使用する、CATIAなどのCADソフトウェアの経験者であれば、採用の際に有利になります。もし、現在未経験者であれば、一般の外部研修などを利用して、一通りの操作方法を習得するのもひとつの方法です。また、実際に実務を行ううえでも、基礎の習得をしておいてから、社内のソフトウェアの研修を受けるほうが、技術の定着が早くなります。

また、海外企業と共同で航空機を開発することもあるため、語学力も重要です。設計マニュアルは基本的に英語で書かれているので、英会話以外にも、リーディング、ライティングのスキルも身につけておくとよいでしょう。

航空エンジニア業界特有の英語の言い回しや、専門用語などは、仕事に就いてから習得すれば大丈夫です。英語がもともと得意な方は、工業英検などの資格の勉強をしておくと、工学系特有の専門用語は一通り身につくので、英語が得意なエンジニアとしてのアピールもできるでしょう。

航空エンジニアの魅力と将来性

ここからは、さらに詳しく航空エンジニアの魅力や将来性について見ていきましょう。

航空エンジニアの魅力

航空エンジニアの仕事は数年から、長い場合、十数年におよぶ長期プロジェクトとなることも多いです。長年手塩にかけて、じっくり作り上げた航空機が、滑走路から大空に飛び立ったときには、エンジニアとしての醍醐味を感じられることでしょう。世界中を飛び回る航空機を、我が子のように感じるエンジニアも少なくないようです。

また、大きなプロジェクトに携われることも、航空エンジニアの魅力です。時間的にも長期にわたりますが、関わる企業や組織、人の数も桁違いに多いです。簡単に部品の点数でみても、航空機は数多くの部品で構成されています。

たとえばBoeing777は、約300万点の部品で構成されており、自動車の部品点数は約2~3万点と言われています。部品点数だけみても、それだけ多くのエンジニアがプロジェクトに関わっていると推察できるでしょう。

航空エンジニアの将来性

航空機は、人や物の輸送を担う重要なインフラです。世界中を相手にビジネスをするのが当たり前の昨今では、社会的に必須のインフラといえるでしょう。また、航空機の部品は、一般の部品よりも信頼性が高く設計されていたり、特殊だったりします。確実に技術が積み上げられていくので、航空エンジニアの技術スキルが廃れるといったことは、まず考えられません。

また、もし他業界への転職を考えたときでも、航空エンジニアはもともと幅広い知識のうえでスキルを磨いているので、培った技術の応用が広く効くことも、航空エンジニアも魅力といえるでしょう。

航空エンジニアは20年後もなくならない職業

数年前、イギリスのオックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行う、マイケル・A・オズボーン准教授は、同大学のカール・ベネディクト・フレイ研究員との共著で論文を発表しています。

これは、『雇用の未来—コンピュータ化によって仕事は失われるのか』という論文で、702の職種すべてについて、コンピュータに取って代わられる確率を詳細に試算しました。この発表により、世界に衝撃が走ったことを記憶されている方も多いでしょう。

ものづくりに関わる航空エンジニアの仕事のように、創造性や独創性が必要となる仕事は、おそらく20年後もなくならない職業とされています。

ただし、AI技術を始め、さまざまな技術が航空エンジニアの世界にも進出することが予想されるので、航空エンジニアになれば、日々新しいことを身につける姿勢が求められます。

ぜひ、大空に飛び立つ飛行機を世の中に送り出す、航空エンジニアの仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょう?

取材協力先

メイテックネクスト

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