中国の「人工太陽」、初の放電に成功

Photo/CNNC

中国四川省成都市で建造された「HL-2M」トカマク型反応炉が2020年12月4日、初の放電に成功した。

The HL-2Mは、中国独自設計による次世代先進磁場閉じ込め核融合実験研究装置だ。同プロジェクトは、2009年に中国国家原子能機構によって承認され、中国核工業集団(CNNC)の南西物理学研究所が設計、建設を担っている。

中国国有の大手原子力発電企業であるCNNCはこれまで、さまざまな種類の磁場閉じ込め核融合研究装置開発しており、3つの主要な国立科学研究施設(HL-1、HL-1M、HL-2A)を建設している。今回起動に成功したHL-2Mは、従来型の2倍以上のプラズマ体積を可能とし、プラズマ電流は2.5メガアンペア、プラズマイオン温度は1億5000万度が達成可能とし、今後定常運転に不可欠なプラズマの高密度、高比圧、および高ブートストラップ電流の達成を狙う。

核融合のエネルギー発生原理は太陽が発光、発熱する原理と似ており、中国では「人工太陽」と呼ばれている。中国は日米欧印などと共に国際熱核融合実験炉(ITER)計画に参加しており、2025年のプラズマ着火を目指すITERにあって、今回中国がその技術力の高さを示した形だ。

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