はすば歯車の静音化技術を自社サイトで公開 ポリプラスチックス

プラスチックギヤの静音化技術

エンジニアリングプラスチック製品を手がけるポリプラスチックスは2021年5月20日、プラスチック製はすば歯車の騒音を低減させる技術を、自社サイトで公開したと発表した。同社は2017年9月にも平歯車の静音化技術を公表しており、今回はその続編となる。

同社によると、歯車の騒音は、回転するときの重なりかみ合い率が音量に大きく影響する。平歯車の場合はかみ合い率を2以上にして1枚の歯にかかる負荷を分散させると、音量を抑えられる。

これに対し、はすば歯車は平歯車に比べて騒音が発生しにくい歯車だとされ、検証の結果、重なりかみ合い率が1.0で騒音が最も小さくなった。これは、はすば歯車が、次々と薄い平歯車が遅れながらかみ合うような形で回転するため、歯幅方向で1ピッチずれた状態のときに薄い平歯車のそれぞれの応力波が全て打ち消し合うからだと考えられる。

はすば歯車騒音低減効果

はすば歯車騒音低減効果

重なりかみ合い率=1.0のはすば歯車

また、ギアシャフトの傾きと軸間距離を調整することによっても騒音を抑えることができる。はすば歯車では、食い違い交差角0°、中心間距離0~0.8mmのときに騒音が最も小さくなった。適正に傾きと軸間距離を調整すれば、平歯車に比べ10dBを超える騒音低減効果が期待できる。

食い違い交差角

食い違い交差角

はすば車騒音と食い違い交差角

プラスチックギヤは、部品の設計や精度などさまざまな原因で騒音が発生することがあり、設計の際の悩みの種となる。同社では、騒音を抑えるためにはプラスチック特有の動きを理解して設計を工夫することが大切だとしている。

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プレスリリース
プラスチックギヤ静音化技術 ~はすば歯車の騒音低減効果に関する留意点~

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