伝送効率4倍の産業ネットワークMECHATROLINK-4に対応した通信ASICを販売開始 安川電機

安川電機は2022年7月28日、通信ASIC「JL-L000A」の販売を開始した。さまざまな電子機器や産業機器のコントローラーに搭載される集積回路(ICチップ)で、伝送効率が従来のMECHATROLINK-IIIと比べ4倍となるMECHATROLINK-4に対応している。オープン価格。

MECHATROLINK-4は、MECHATROLINK-IIIの機能、性能と使いやすさを継承しながら、伝送効率の向上やマルチマスター機能の追加等により、より効率的で高度な制御ができる。ホストCPUを組み合わせ、MECHATROLINK-4に対応した機器(マスター/スレーブ)を容易に開発できる。

MECHATROLINK-4通信の伝送性能は、MECHATROLINK-IIIと同一条件で約4倍。開発した製品は、MECHATROLINK-IIIとMECHATROLINK-4通信の両方に対応しているため、切り替えて選択できる。

伝送周期あたりの制御軸数

高効率な通信手順で、短い伝送周期での細かな制御や、同一伝送周期での多くのスレーブ機器の接続に対応。装置の大規模化、高精度化に貢献する。また、空いている通信帯域をIP通信に割り当て、同一ネットワークに汎用通信機器を統合できる。

伝送周期は、スレーブ機器ごとに自由に設定できる。最大伝送周期に接続された全スレーブ機器を合わせる必要がなく、各スレーブ機器の最高性能を引き出す。伝送タイミングをスレーブ機器ごと分散でき、伝送周期を短縮することができる。

現在、複数のマスター機器を同一ネットワーク上に接続できるように開発している(アクセスドライバーの更新による対応を予定)。マスター負荷の分散による高速化、装置のモジュール化による開発効率化、フレキシブルなライン構築に貢献する。また、JL-L000AとホストCPUとのインターフェースに、PCI Expressを採用。高速なデータ授受が可能となっている。

通信ASIC本体のJL-L000Aと、JL-L000AへMECHATROLINK通信ファームウェアを転送するためのブート用ファームウェアが格納されたシリアルFlash(MX25L6433FM2J-08Q-Y00)にて構成されている。本ASICは、MECHATROLINK協会会員向けに販売するため、製品の購入には同協会への入会(一般会員以上)が必要となる。

MECHATROLINKは、同社が開発したコントローラーと各種コンポーネントを接続するオープンな産業ネットワークで、高速な通信と同期性を保証。システムを高速化、高機能化できる。

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