ロームグループのラピステクノロジーは2022年12月15日、工場や物流倉庫などで設備管理や状態監視を行うIoT機器に適した静電容量センサ内蔵のRFID通信LSI「MR793200」を開発したと発表した。2022年12月よりサンプル出荷を開始しており、2023年3月から量産を開始する。
新製品は同社の無線通信技術と、マイコンの省電力アナログ/デジタル変換回路技術を組み合わせて開発した。大きさは4.0×4.0×0.8mmで、電池不要の静電容量センサを内蔵。状態検出とUHF帯RFIDの無線通信をワンチップで実現する。センサは最大100pFの広い測定範囲と高検出精度を持ち、物流パレットの細かな重量や数十センチのケーブルのゆがみなどの検出に対応する。
また、UHF帯RFID通信の国際標準規格「ISO/IEC 18000-63」「EPC Gen2」に準拠する読み取り端末や書き込み端末に対応。幅広いアプリケーションに搭載できる。
工場や倉庫などで用いられる管理/監視センサでは電池管理が課題の一つとなっており、Wi-FiやBluetoothに代わる通信として、電池が不要なRFID通信の採用が進んでいる。しかし、従来の状態監視用のセンサには電池が必要だった。
同社では、このセンサ内蔵の通信用LSIを使えば、管理、監視用IoT機器の電池管理が不要になり、機器のシンプル化とメンテナンスフリー化が可能になるとしている。
MR793200のサンプル価格は1個1000円(税抜き)で、バンプ付きウエハ品「MR7930」も2023年2月からサンプル出荷を開始する予定。