宇宙船クラスの気球を使って宇宙旅行に挑む、日本のスタートアップ

株式会社岩谷技研/YouTube

札幌に本社を置く岩谷技研は、2023年2月21日、独自のガス気球を使った宇宙遊覧体験の搭乗者の募集を開始した。同社は2016年創業の旅客技術開発会社で、高高度ガス気球、旅行用気密キャビンの設計/開発/製造、気球による宇宙遊覧の販売を計画中だ。

同社が進める「OPEN UNIVERSE PROJECT」は、多くの人々に向けた、宇宙旅行の「民主化」が目標だ。

この宇宙遊覧は、2時間かけて上空25~30kmの成層圏に上昇、そこに約1時間滞在して遊覧したのち、1時間かけて海上に帰還する。現時点の費用は、約2400万円だ。

使用する機材は同社が開発したもので、ガス気球部分と人間が乗る気密キャビン部分で構成される。気球にはヘリウムガスを使用し、2人乗りのキャビンの座席はパイロット用と搭乗者用となっている。

高度25~30kmの成層圏は、人間にとっては宇宙とほぼ同じ環境になる。これに耐える同社のキャビン「T-10 Earther」は宇宙船と同様の機能を持ち、骨格や気密構造には同社の特許技術を使用している。室内の気圧変化は旅客機よりも小さく、振動は新幹線よりも穏やかで、高度の変化による大きな温度変化もないとのこと。

現在募集中の搭乗者は5名。応募者の中から対象者を選出後、メディカルチェック、オリエンテーション、安全講習等を経て、2023年12月以降に順次フライトを開始する。また同社は、開発したキャビンを1億円で提供するプランも用意している。

関連情報

株式会社岩谷技研 – 気球でNearSpaceへ行こう!
OPEN UNIVERSE PROJECT ご搭乗者募集サイト|IWAYA

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