赤道付近の海上に設置する、浮体式ソーラーパネルの構想――人口密集国に電力を供給

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電力の脱炭素化を推進する手段として、水上で運用する浮体式の太陽光発電が注目されている。オーストラリア国立大学の研究者Andrew Blakers氏らの試算では、インドネシアの海洋を活用した浮体式太陽光発電のみで、世界の消費電力量を賄えるとしている。

Blakers氏らが学術系メディア『The Conversation』に2023年8月3日付けで寄稿した記事によると、インドネシアの洋上太陽光発電では、年間約3万5000TWh(テラワット時)の電力を生成する。これは、現在の世界の消費電力である年間3万TWhに匹敵する。

同氏の研究チームは、過去40年間で大きな波や強風が発生していない海域を調査した。その理由は、このような場所では、海上のソーラーパネルを保護する必要がないためだ。候補の大半は赤道付近にあり、インドネシア周辺と赤道直下の西アフリカなどが挙がった。

同研究チームの試算では、これらの海域に浮体式の太陽光発電設備を展開すれば、年間最大100万TWhの発電量を確保できる。これは、100億人の富裕層を支えるエネルギー量の約5倍に相当する。

将来的に、海洋および内陸の湖や貯水池に、浮体式の太陽光発電システムが進展する。それにより、東南アジアや西アフリカなどの人口密度の高い国々に、無限といえるほどの太陽光エネルギーを提供できる可能性がある。

関連情報

‘Limitless’ energy: how floating solar panels near the equator could power future population hotspots
Solar | Free Full-Text | Global Atlas of Marine Floating Solar PV Potential

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