- 2024-3-6
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- イメージング, メタサーフェス, レジスト, 東京農工大学, 物体検出, 研究, 誘電体, 赤外線, 赤外線吸収, 距離測定, 電子ビーム
東京農工大学は2024年3月5日、同大学大学院の研究チームが、厚さ100nm級の赤外線吸収メタサーフェスを作製したと発表した。
メタサーフェスとは、電磁波の波長よりも小さな構造を誘電体膜の表面に形成することで、自然界に存在しない光学特性を得たシート状の人工構造材料を指す。
短波長の高周波数帯でメタサーフェスを活用するにあたっては、より一層薄く壊れやすい誘電体膜が必要となる。そのような誘電体膜の表裏両面に微小な金属構造を作製できれば、赤外線を操ることが可能となる。
同研究チームは今回、厚さ100nmの窒化シリコン(SiNx)膜を採用し、赤外域の電磁波に対して動作する赤外線吸収メタサーフェスを作製した。
メタサーフェスの表面に、1200nm角で正方形の金のパッチを周期的に配置したパターンを作製。裏面には、格子状のレジストの壁および金の膜を設けた。冒頭の画像は、(a)がメタサーフェスの全体図、(b)が表面側、(c)が裏面側を示したものとなっている。
また、今回の研究では、新たに構築した両面同時電子ビーム露光法を用いている。誘電体膜の表裏両面にレジストを塗布し、誘電体膜の表面側から電子ビームを照射することで、両面のレジストを同時に露光する技術だ。次々世代となる7G通信向けのテラヘルツ波帯アンテナでの応用も進んでいるという。
フーリエ変換赤外分光法を用いて、作製した赤外線吸収メタサーフェスを測定したところ、50テラヘルツ吸収率が97.1%、反射率が2.2%、透過率が0.7%となった。
今回作製したメタサーフェスは、赤外線を用いた物体検出やイメージング、距離測定といった用途での活用が期待される。