- 2024-5-31
- 製品ニュース, 電気・電子系
- PSB401010H, セラミックパッケージ型全固体電池, マクセル, 全固体電池, 固体電解質, 正極活物質, 電極設計
マクセルは2024年5月30日、全固体電池の作動上限温度を150℃に引き上げる技術を開発したと発表した。高い耐熱特性により、サイクル数が従来の電極仕様品に比べ約5倍に向上している。
2023年6月に量産を開始したセラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」に対し、放電上限温度125℃を超える用途での使用要望が多数あった。そこで同社は、全固体電池の劣化メカニズムを解析。高温における劣化は、正極活物質と固体電解質との界面での副反応が主原因であることがわかり、電極の材料や配合などの電極設計を大幅に見直した。
その結果、150℃の高温下で充放電を繰り返すサイクル試験で、放電電圧が1.0Vに低下するまでのサイクル数を従来電極仕様品と比べたところ、約5倍に向上した。開発した技術を応用した製品開発を進めることで、高温下での電池寿命の減少で発生していた頻繁な電池交換工数の削減につながるほか、高温下でのセンシングやモニタリングに対応する。
同社は、既存の電池では使用できなかった領域の用途にも使用できる、長寿命、高耐熱、高出力、大容量の4つの軸で、高性能で信頼性の高い全固体電池の開発を進めている。今後も、全固体電池のラインアップの充実、技術と全固体電池を組み合わせたモジュール製品の検討も進めていく。