- 2024-6-7
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- 3Dプリンター, Factory of the Future 1.0(FoF 1.0), ギネス世界記録, サブトラクティブ造形, ポリマー3Dプリンター, メイン大学, メイン州住宅局, 先進構造・複合材料センター(ASCC), 積層造形, 米エネルギー省, 米国防総省, 連続テープレイアップ
米メイン大学は2024年4月23日、次世代3Dプリンター「Factory of the Future 1.0(FoF 1.0)」を発表した。これは、2019年にギネス世界記録を獲得したポリマー3Dプリンターを上回り、前身のプリンターの4倍の大きさが特徴だ。
このプリンターが造形できる出力物の最大寸法は、長さ29m、幅10m、高さ5.5mだ。印刷の速度は、1時間当たり最大227kgを造形できる。
FoF 1.0は、複数の印刷プロセスを動的に切り替えることができる。たとえば、大規模な印刷物に対応する「積層造形法」、材料のブロックから不要な部分を除去する「サブトラクティブ法」、複合材料の製造に適した「テープ連続積層成形法」、ロボットアームの操作などだ。
この発表にあわせて、先進構造・複合材料センター(Advanced Structures and Composites Center:ASCC)が開催した発表会には、米国防総省、米エネルギー省、メイン州住宅局、業界パートナーなど、本技術の活用を検討している企業や団体が出席した。
また、メイン州は全米で最も森林が多く、年間100万トン以上生産される木材の残材を、バイオベース材料として利用する計画もある。これは、米BioHome3Dをはじめとした、持続可能で低価格な住宅を供給する活動を支える技術だ。
将来的にこの技術は、軽量で迅速に展開が可能な構造物や船舶技術など、国家安全保障にとって極めて重要な技術的進歩になる可能性がある。