- 2025-1-30
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日本電気硝子は2025年1月29日、東京大学、ミユキ技研、フォトンテックイノベーションズと共同で、日本電気硝子のガラスリボンを用いて、光シート顕微鏡光源「HandySPIM」を開発したと発表した。誰でも簡単に高解像度の断面画像を得られる。
光シート顕微鏡は、薄いシート状に整形した光をサンプル(検体)の側面から当てて断面画像を得る選択的平面照明顕微鏡法(SPIM)を利用した顕微鏡で、病理・バイオサイエンス等で使用される。HandySPIMは、一般的な顕微鏡のステージに設置することで、透明化生体組織の画像を得ることができる「光シート顕微鏡光源」を指す。
従来の光シート顕微鏡は、レーザー光をレンズやミラーで光シート化する構造上、大掛かりな光学機器が必要になるため、光学系の調整に専門知識を要することに加え、導入や維持に高額なコストがかかっていた。
日本電気硝子が開発したガラスリボン導光板が組み込まれたHandySPIMは、ガラスリボンの薄く均一な厚みが、レンズやミラーなしで高強度のシート状の光をつくることに貢献している。また、安価なLED光をHandySPIMの光源に用いているため、従来よりも小型で軽量、安価であることに加え、取り外しが容易で可搬性が向上している。

HandySPIMに組み込まれたガラスリボン導光の使用方法と検体画像図(ガラスリボンの役割を強調した概略図で、実際のサイズとは異なる)
ガラスリボンは、日本電気硝子が開発した超薄板ガラスの一種で、厚さ4~50μm、幅0.5~30mmの非常に薄く均一な厚みを有するガラスで、HandySPIMで導光板の役割を担う。レンズやミラーといった光学機器の役割を果たす。

日本電気硝子が開発したガラスリボン導光板
(ガラスリボン導光板:ガラスリボンを可視光吸収ガラスでサンドイッチした構造体)
高解像度な生体組織の画像取得を安価に提供し、従来の高価な画像取得装置と比較して遜色ない画像が得られる。HandySPIM、ガラスリボン導光板は、2024年8月に試作販売を開始、製品化・販売を2025年内に開始する予定だ。