化学系エンジニアの「普通」のキャリア、将来を考えるタイミングはいつがいい?

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本記事は、エンジニア専門の人材紹介会社メイテックネクストのキャリアコンサルタント・甲斐 由美氏への取材記事です。

ものづくりを発展させていく上で、機械系や電気系のエンジニアだけでなく、高機能な素材やより実用的な素材を扱える化学系エンジニアの力は欠かせません。ただ、化学系エンジニアが生涯を通じてどのようなキャリアを歩んでいくことになるのか、あまり情報が出てきていないようにも感じます。

そこで今回は、化学系エンジニアの一般的なキャリアの歩み方、そしてターニングポイントとなる年齢などについて、化学系エンジニアのキャリア事情に詳しい甲斐氏に解説していただきました。


――化学系エンジニアは一般的に、どのようなキャリアを歩むことになるのでしょうか。

[メイテックネクスト 甲斐 由美氏]化学系エンジニアは、基本的に大学の3~4年次に専門が決まり、修士まで進んだ方がほとんどだと思います。大学・大学院で3~4年間はしっかりと専門領域について学び、研究室のつながりで就職する会社を決めるケースが多いと思います。

基本的に選択肢となるのは化学メーカー。違う業界に進む方は少ないのではないでしょうか。

新卒で化学メーカーに入ると、例えば研究開発部門の所属になった場合、1年ほどは研修も兼ねて補助的なテーマに取り組みます。2年目から主テーマに近いものを持ち始め、3年前後かけて自分の開発スタイルを身につけていくことになります。

そうして20代後半くらいになってくると、上司・先輩から独り立ちして、自分で主テーマを持つようになります。会社からの要求も厳しくなりますし、場合によっては新入社員をサポートにつけてもらいながら研究開発に取り組むようになります。

ここまで経験すると、最終目標を見据えて逆算しながら「どう研究開発を進めていくのが最適なのか」と考えられるようになってくるでしょう。

化学系エンジニアが最初の転機を迎えるのは30歳前後

そうこうしているうちに28~30歳くらいになります。化学系エンジニアとして、このあたりで1度キャリアの棚卸しをして、「そのまま開発を続けるのか、違うことがしたいのか。違うことがしたいのなら社内で異動を希望するのか、転職するのか」と自分の将来のことを考えておくことをおすすめします。

実際、化学メーカーに勤めるエンジニアは30歳前後になると、製品開発を担当する主要メンバーとして取引先との打ち合わせに参加するなど、他業界の顧客企業と接点を持ち始めることが多いです。外の世界を知った結果、転職を検討する人が増え始めるわけです。

ちなみに、以前は35歳が「転職の壁」と言われていました。35歳を過ぎると、管理職としての採用が前提になりますから、そう簡単には採用できません。35歳以上になってから転職活動しても、苦労することが多い状況でした。

しかし最近は、自動車業界はじめ、どの業界でも35歳の「転職の壁」が崩壊しつつあります。

ポストドクターの方も就職・転職に困ることが多かったですが、今では38~39歳のポストドクターが採用されることも、珍しくなくなってきました。

自分でゼロからテーマを考えて製品化を目指せる化学系エンジニアであれば、40代前半くらいまでは転職に成功する可能性が十分にあります。

専門分野から離れにくい化学系エンジニア。主テーマの将来性が重要に

――化学メーカーの「社内で異動を希望する」場合、どんな選択肢がありますか?

[メイテックネクスト 甲斐 由美氏]一部の化学メーカーは、全員ではないものの、戦略的にジェネラリストを育てて将来的に事業統括を任せようと考えています。

選ばれたエンジニアは、1つの専門分野に10年取り組むといったことはなく、若いうちに3~4年で違う開発テーマに取り組む部署へ配属されるのです。

とはいえ、大半の化学メーカーでは、専門分野がある程度決められます。複合材料をやっていたエンジニアが異動を希望したからといって、急に電子部品向けのデバイス材料の開発に携われることはまずありません。

社内のプロジェクト状況や市場との兼ね合いなどによっては、中堅になってからこれまでの専門とはまったく違う分野に異動になってしまう化学系エンジニアもいます。そうなってから、仕方なく転職活動を始めている方も少なくありません。

こういったキャリア事情を理解し、自分が専門としているテーマの将来性を考えていくことも、化学系エンジニアにとっては重要なことだと思います。


甲斐 由美(メイテックネクスト 化学・素材・バイオ分野 コンサルタント)

<メッセージ>
私はこれまで、企業での人事を中心に、マーケティングや会社の立ち上げなど、さまざまな仕事を経験し、多くのエンジニアの方と接してきました。
今の職場や仕事に疑問を抱く時、また新たな挑戦として転職をひとつの選択肢として考える機会は、一度ならずご経験されていると思います。
同じく転職を経験している者として、また人事として数百人の採用、育成に携わってきたアドバイザーとして、ぜひ貴方の未来をお手伝いさせてください。 ご連絡、おまちしております。


取材協力先

メイテックネクスト
メイテックネクスト分野別コンサルタント

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