350℃の高耐熱性能を持つ半導体製造装置用Oリングを開発 エア・ウォーター・マッハ

耐熱試験前後の外観比較(350℃)

エア・ウォーター及びその子会社で工業用ゴム製品等を製造するエア・ウォーター・マッハは2018年8月1日、350℃の高耐熱性能を有するパーフルオロエラストマー(FFKM)製Oリングの開発に成功し、この新材料と新製法を用いた半導体製造装置用Oリングの販売を開始すると発表した。エア・ウォーター・マッハが製造/販売し、同年9月からサンプル供給を開始、2019年1月から量産を開始する。

OリングはO型をしたゴム製の密封(シール)用機械部品で、エア・ウォーター・マッハは各種産業機械等に使用されるOリングの総合メーカー。耐摩耗性や耐熱性が求められるOリングの中でも、半導体製造装置に使用されるOリングは、各種プラズマに曝されるなど過酷な化学環境の下で使用されるため、高い耐熱性、耐薬品性、耐プラズマ性が要求される。エア・ウォーター・マッハはFFKMを材料とする高機能Oリングを得意とし、「R.Pororoca(ポロロッカ)」のテクニカル・ブランドで半導体製造装置用Oリングの製造/販売を行っている。

今回の開発品は、半導体プロセスの微細化により、現在のOリング超高温用の目安である325℃よりさらに高い耐熱性能が求められるようになったことに対応した製品だ。ポリマー材の選定、新たな硬化材の導入、及び新製法/新評価技術の採用を要素とする新製造システムにより、350℃の高耐熱性能を有するFFKM製Oリングの開発に成功した。

温度別 圧縮永久歪比較

加えて同開発品は、関連市場からの要求度が高い300℃の長期連続使用下(約1カ月)においても、基本特性である圧縮性能や力学的強度等を保ち、安定したシール性能を発揮する。このため、ドライエッチングやALD(原子層堆積)の排気系シール材に適している。同開発品を使用することにより、超高温域の使用環境下でも、変形、崩壊、クラック等の発生が抑制され、メンテンス頻度を削減しコスト低減に貢献する。

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