京大と筑波大、超高密度移動体通信を可能にする円偏光テラヘルツ光源を開発

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今回開発した光源の顕微鏡写真。白く伸びた電極の一方に電流を加えると円偏光テラヘルツ波が放射される。

京都大学と筑波大学は2018年1月4日、高温超伝導体を用いた超伝導テラヘルツ光源デバイスから、最大99.7%の円偏光度をもつテラヘルツ電磁波の発生に成功したと発表した。

テラヘルツ帯の電磁波は、高速無線通信、空港でのセキュリティー検査、ガン部位の識別、封筒内の薬物検知、宇宙観測など幅広い分野への応用が期待されている。テラヘルツ波を連続して発振する光源としては、2007年に高温超伝導体のナノ構造を利用したものが発明されている。以降、この光源の実用化を目指した研究が世界中で行われている。円偏光テラヘルツ波は、超高密度移動体通信に必須とされ、さらには、医薬品の識別・組織の診断などにも応用できる。しかしこれまで、単独で円偏光テラヘルツ波を連続して発振できるデバイスは得られていなかった。

研究グループは今回、正方形の対角を切り取った形状の超伝導テラヘルツ光源を作製し、円偏光特性をもつテラヘルツ波の放射に成功。従来の円偏光通信システムでは、特定の形状のアンテナに外部からミリ波を供給する大掛かりな仕組みが必要だったが、この超伝導テラヘルツ光源は市販の単3電池1本を繋ぐだけで円偏光のテラヘルツ波を放出できる。

また、物質本来の結晶構造を基盤としたシンプルかつ1枚板な構造のため、耐久性・量産性にも強みをもつ。さらに、動作温度の上限がマイナス19℃程度であるため、ポータブル応用も提案されている。

この技術により、安定した超高密度移動体データ送信が可能となり、自動車などの自動運転への応用が期待できるという。また、実用化されれば、半導体素子を中心に発展してきたテラヘルツ技術に革命的な進歩をもたらすとしている。

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