NIMS、高速で圧縮しても壊れにくいマグネシウム合金を開発

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室温で圧縮し、樽状に変形した開発材。試験速度は0.8mm/s。

物質・材料研究機構(NIMS)は2018年1月24日、高速で圧縮しても壊れずに変形できるマグネシウム合金の開発に成功したと発表した。市販アルミニウム合金に匹敵する変形能で、自動車などの軽量化への貢献が期待できる。

マグネシウムは、実用金属材料の中で最も軽く、自動車などを軽量化できる金属材料として注目されている。しかし、室温で大きな力を加えると瞬時に壊れてしまう欠点がある。NIMSの研究チームは2017年、マグネシウムに微量のマンガンを添加して、力を加えても急には壊れず、樽状に変形できるマグネシウム合金の開発に成功している。しかしこの性質は、力を加える速度が遅い場合に限られ、落下や衝突など高速で力が加わった場合でも壊れない性能が求められていた。

今回、同研究チームでは、マンガンの代わりに極微量のビスマスを添加したマグネシウム合金を作成。これを室温で、一般的な評価速度よりも100倍程度速い速度で圧縮したところ、急には壊れず、樽状に変形できることがわかった。破壊に対する吸収エネルギーは、市販のマグネシウム合金と比較して5倍以上優れており、市販のアルミニウム合金に匹敵するという。

開発した材の内部を観察したところ、添加したビスマスがマグネシウムの結晶粒の間に存在しなかった。マンガンを添加した場合は粒界に微量にマンガンが存在していたが、ビスマスの場合は結晶粒が互いに滑りあう粒界すべりがさらに促進されたと考えられるという。

今回の開発により、軽量なマグネシウム合金が、室温でも高速で壊れずに変形できるようになったことで、自動車や車いす、鉄道車輛の座席、自転車のフレームなどへの用途の拡大が期待される。また、プレス加工などの2次加工についても、加工温度の低温化による省エネルギー化や、加工装置にかかるコスト低減などが期待できる。

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