リチウムの調達リスクを回避するための、植物由来のバッテリー材料「Lignode」

フィンランドの林産企業Stora Ensoは2024年6月5日、ナトリウムイオンバッテリーを開発するスウェーデンのAltrisと提携し、欧州における持続可能なバッテリーバリューチェーンの構築を加速する方針を発表した。

現在、欧州のバッテリー製造企業は、原材料の大部分を他地域から調達している。今回の提携は、地域に密着したバッテリー製造のバリューチェーン構築を目指し、輸入への依存度を下げると同時に、持続可能性の促進に寄与することが狙いだ。

両社は、Stora Ensoが開発した硬質炭素材料「Lignode」を、Altrisのナトリウムイオンバッテリーの負極材料に適用する。Lignodeは、パルプの製造工程で生成されるリグニンから作られた材料だ。

木材の20〜30%を占めるリグニンは、原材料として安定して供給できる利点があり、実用化されれば輸入材料への依存度が減少するとの期待がある。現在、Stora Ensoのフィンランド・コトカにあるプラントで、先行開発が進められている。

Stora Ensoのバイオマテリアル部門の上級副社長兼責任者、Juuso Konttinen氏はコメントのなかで、バイオベースの材料はバッテリーの持続可能性を向上させる鍵となり、Altrisとの提携に至った経緯については、両社の目標が合致していることに言及した。

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Stora Enso and Altris collaborate to develop and commercialise world’s most sustainable battery

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