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紫外LED用マイクロレンズ(一例) ドーム型キャビティ(左)と各種レンズ形状(右)
日本ガイシは2018年10月15日、紫外LED(発光ダイオード)チップが格納できるキャビティを備えた、石英ガラス製レンズを開発したと発表した。
現在水や空気の殺菌に用いられる紫外線光源には、水銀ランプが使用されている。しかし、今後は規制により水銀ランプの使用が禁止される可能性がある。このため、水銀ランプの代替の光源として、紫外LEDが注目されているという。
現在の紫外LEDでは、高価な箱型セラミックパッケージでLEDチップを格納している。このため、パッケージ側面で紫外光が吸収され、LEDの出力が低下するという課題があった。同時に、低コスト化が難しいという問題もあった。
今回開発したレンズは、LEDチップを格納するキャビティを備えているために、箱型セラミックパッケージではなく、安価な平板セラミック基板を使用できる。これにより、従来のようにパッケージ側面で紫外光が吸収されることがなくなり、光取り出し効率が同社従来品の75%から、93%にまで向上した。さらに、紫外LEDの低コスト化も可能になった。
また、キャビティをドーム型などの任意形状に成形することも可能で、平板セラミック基板とマイクロレンズの接合面への紫外光照射を低減できる。これにより、接合部に従来の金属接合よりも安価な樹脂接合を用いることも可能になり、さらにコストを低減できる。また、レンズの形状も、ユーザーの要望に応じて製造が可能となるという。
同製品は、2018年10月17日から19日まで幕張メッセで開催される「All about Photonics LED Japan 2018」に出展される予定だ。