パナソニック エナジーと、東洋製罐グループホールディングスの子会社で微量要素肥料の製造などを手掛けるTOMATECは2024年12月20日、使用済み乾電池から分離した亜鉛やマンガンなどを含む混合粉末（ブラックマス）を、微量要素肥料の原料としてリサイクルする方法を確立したと発表した。電池からリサイクルした肥料は、2024年度中にTOMATECから販売される。
パナソニック エナジーではこれまで、使用済み乾電池をリサイクルして活用するため、さまざまな企業と協力して研究開発に取り組んできた。TOMATECとは2023年から協議を開始し、2024年9月に使用済み乾電池を原料とする熔成微量要素肥料を製造する方法を確立した。微量要素肥料は、土壌に不足しているミネラルを補い、作物の成長を促進する役割がある。
リサイクルの工程では、パナソニック エナジーが使用済み乾電池からブラックマスを分離し、TOMATECがそれを熔成微量要素肥料にする。この際、TOMATECが持つ機能性ガラスを加工する独自技術が用いられる。農業分野での乾電池のリサイクルは、パナソニック エナジーとして初めての取り組みとなる。また、TOMATECも電池由来の原料で熔成微量要素肥料を製造、販売するのは初めてとなる。
今後、両社は電池由来の微量要素肥料の普及を図り、農業の発展に貢献するとともに、両社は電池由来の微量要素肥料の活用拡大、さらなる資源循環と環境への取り組みを通じて、農業の発展や、将来的には「飢餓や貧困をなくす」といった社会課題の解決にもつなげていきたいとしている。
