これでサバイバル生活も問題なし――安価な太陽蒸留器「solar vapor generator」を開発

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米バッファロー大学は1月30日、太陽光とプラスティックに加え、カーボン紙を利用することで、従来よりも効率の高い太陽蒸留器を開発したと発表した。研究内容はオンライン学術誌「Global Challenges」2017年1月号に掲載された。地球的な飲料水の不足に対処するため、この技術を特に自然災害の被害を受ける地域での飲料水の確保に役立てたいとしている。

太陽蒸留器とは、太陽光で水を蒸発させて塩分やバクテリアなどの不純物を除去し、水蒸気を再凝縮させて蒸留水を得る仕組みだ。砂漠や無人島などで飲料水を得るサバイバルテクニックとしても知られている。

研究チームのHaomin Song氏は、従来の太陽蒸留器の課題について「蒸留過程でバルク液体も温めてしまうため、熱効率の観点で非効率的だった。また、部品の多くが高価なことも問題点だ」と指摘する。

研究チームはこれらの課題を解決するため、主材料として安価で高い断熱性を備え、水に浮くという性質を併せ持つ発泡スチロールと、カーボンコーティングした多孔質紙を使い、「solar vapor generator」を開発した。紙は水を、カーボンは太陽光をそれぞれ吸収するため、太陽エネルギーを蒸発のみに効率的に変換できる。蒸留過程における熱的損失量は12%(44℃、表面上のみ蒸留)で、研究チームによると前例のないほどの熱効率だという。

solar vapor generatorが1日に濾過可能な水量は3~10リットルで、同サイズの太陽蒸留器(同1~5リットル)よりも多くの水量を確保できるという。何より1平方メートルあたりの材料費が約1ドル60セント(約180円)と非常に安価だ。

研究主任のQiaoqiang Gan博士(バッファロー大 応用科学学部 電気学科准教授)は、「solar vapor generatorは、非常に安価な材料を用いて、太陽エネルギーを最大限に活用し、熱損失量を最小限に抑えた蒸留システムだ」と説明する。

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