- 2024-3-4
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- Audrey van der Meer, キーボードタイピング, デジタルデバイス, ノルウェー科学技術大学, 学習効果, 手書き, 脳波検査, 脳波測定用ネット
ノルウェー科学技術大学が2024年1月26日、手書きとキーボードタイピングとの学習効果の違いを、脳波検査により比較した研究結果を発表した。昨今のデジタルデバイスの普及により、手書きの機会は大幅に減少しており、ペンを執った時、漢字やスペルが出てこないという経験に身に覚えがある人も多いのではないだろうか。研究結果によると、手書きの方が記憶の形成や情報のエンコード、つまりスペルを正確に覚えることに役立ち、学習効果が高いという。
今回の研究では36人の大学生に256個のセンサーを搭載した脳波測定用ネットを頭に装着してもらい、表示された文字をデジタルペンで画面に手書きする時とタイピングした時の脳波を比較した。手書きした場合はさまざまな脳の領域で接続性が増加したが、タイピングした場合は増加が見られなかった。ペンを使用する際の正確に制御された手の動きによって得られる視覚情報と運動情報が、脳の接続性を促進し、学習効果を高めると考えられる。今回の研究はデジタルペンを使用して行われたが、ペンで紙に書く場合でも同じ効果が期待できるという。
タイピングするという動作は手書きよりも脳への刺激が少なく、研究の著者であるAudrey van der Meer氏は「このことはタブレットで文字を入力したり読んだりすることを学んだ子どもたちが、「b」と「d」など、鏡文字のような字を区別するのが難しいことがある理由も説明できます。彼らは、そのような文字を生み出す感覚を体で感じていないのです」と、説明している。
研究者らは、この結果は授業中に文字をタイピングさせるだけではなく、ペンを使用する機会を与える必要性を示しているとし、継続的に発展する技術の進歩に遅れないようにすることの重要性も指摘している。
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