東大、トポロジカル超伝導を発見――幻の素粒子「マヨラナ粒子」の発見へ大きく前進

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結晶中の超伝導と表面にできたトポロジカル超伝導の模式図

東京大学は2018年3月9日、高温超伝導体である鉄系超伝導体FeSe0.5Te0.5が、最表面ではトポロジカル超伝導であることを実験的に発見したと発表した。

トポロジカル超伝導体は、内部では超伝導、表面や端ではトポロジーに関連した特異な振る舞いを示す。このトポロジカル超伝導体の一部分には、マヨラナ粒子と呼ばれる未発見の素粒子が潜んでいることが理論的に指摘され、同粒子の発見が世界的な競争になっている。一方、高温超伝導体として知られる鉄系超伝導体は、多くの研究者によって研究されて来た。しかし、分解能が足りておらず、トポロジカル超伝導の証拠は発見されていなかった。

そこで研究グループは、東京大学物性研究所で開発した超高分解能レーザー角度分解光電子分光装置を用いて鉄系超伝導体FeSe0.5Te0.5の最表面を調査。トポロジカル状態の証拠の一つであるディラックコーンを発見した。また、高分解能レーザースピン偏極角度分解光電子分光装置を用い、このディラックコーンで示される電子バンドがスピン偏極していることを明らかにし、トポロジカル物質であることを確認。さらには、超伝導ギャップを直接観測し、トポロジカル超伝導体であることを明らかにした。

この成果は、マヨラナ粒子を固体表面で発見する事が技術的に可能であることを示したと説明。今後、同粒子が固体表面上で発見されることが期待されるとしている。また、マヨラナ粒子が示す粒子と反粒子が同一粒子となるという性質を利用した、擾乱に強い新しい量子コンピュータを実現する可能性を示したとしている。

表面にできたマヨラナ粒子を用いた量子コンピューターの模式図

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