月に大量の水資源が存在か――生成に水が必要な鉱物「モガナイト」を月隕石から発見 東北大など

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月の水は、太陽光で熱せられた表面では蒸発してモガナイトを作り、地下には氷として残る(illustrated by M. Sasaoka (SASAMI-GEO-SCIENCE))

東北大学は2018年5月7日、海洋研究開発機構、神戸大学などと共同で、生成に水が不可欠な鉱物「モガナイト」を月隕石から発見したと発表した。月の地下に水資源が存在する可能性を示唆しているという。

月は従来、水に乏しい天体であると考えられてきた。しかし近年、月周回衛星により月極付近に大量の水が観測された。これを受けて、月での水の存在は、その発生起源などの調査が検討されたり、有人探査や月での居住を考える際の資源として考えられるなど、重要なテーマとなっている。

しかし、月周回衛星による観測では表面からわずか1m程度までの情報しか得ることができないなどの理由により、1m以深の地下に水が実在するのか、実在するとすれば実際にどれほどの量の水がどの地域に埋蔵しているかなど、その実態はほとんど分からなかった。

今回の研究では、13種類の月隕石を対象に、ラマン分光計、大型放射光施設のSPring-8のBL10XUの放射光X線回折装置、さらに電子顕微鏡による微小部分析を実施。その結果、NWA2727と呼ばれる月隕石からモガナイトを発見した。水が関与してできる鉱物であるモガナイトが、地球外物質で発見されるのは今回が初めてとなる。

また、この研究成果から、モガナイトの生成要因となる月の水は、水を豊富に含む天体が月のプロセラルム盆地(うさぎ型の影模様)に衝突することで供給されたことも分かった。

さらに、月に存在する水は、表面では太陽光に熱せられて蒸発することでモガナイトを生成するが、地下数mでは低温なために氷として残ると考えられる。その氷の埋蔵量は岩石1m³あたり少なくとも18.8リットルに達することから、月の地下には大量の氷が存在する可能性があるという。

今後は、未調査の月隕石やアポロ・ルナ計画で回収された月の資料の微小部分析を行い、そこから水や氷の痕跡を探る研究を予定している。

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