- 2018-3-18
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- Mobile, Proceedings of the Association for Computing Machinery on Interactive, Wearable & Ubiquitous Technologies, スマートフォン, 米ワシントン大学
米ワシントン大学のエンジニアチームは、不可視光レーザーを使ってスマートフォンを充電する方法を開発した。この方法を使えば、部屋の反対側にあるスマートフォンでも、USBケーブルを接続したときと同じくらいの速さで充電できる可能性があるという。研究内容は、2017年12月に発行された『Proceedings of the Association for Computing Machinery on Interactive, Mobile, Wearable & Ubiquitous Technologies』に掲載されている。
研究チームの開発した方法は、薄型のパワーセルをスマートフォンの裏側にセットし、それに高出力の近赤外線レーザーを照射することで、パワーセルを介して充電するというもの。室内に設置された充電装置は、スマートフォンが充電のためにレーザー照射エリアに置かれたことを、スマートフォンが発する高周波の「チャープ音」で検知、照射エリアに向けて充電ビームを発射する。この方法で、最長4.3mの距離から15平方インチの範囲に2Wの電力を継続して送ることができるという。
この方法では、1Wを超える高出力レーザーを遮蔽のない状況でいかに安全に使うのかが課題となる。そこで研究チームは、高出力レーザーの周りを低出力で安全な「ガードビーム」で取り囲むという安全機構を考え出した。スマートフォン側にガードビームを反射するリトロリフレクターを設け、照射側で監視、ガードビームが遮断されれば何かがビームの光路に入ったとして瞬時に高出力レーザーを遮断するというものだ。また、充電用レーザーから生じる熱を放出し、スマートフォンの加熱を防ぐ放熱板も新たに作成した。
ワシントン大学の研究チームは、この方法でカメラやタブレットなどのワイヤレスデバイスにレーザーを使って安全に充電することができるようになると考えている。
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Using a laser to wirelessly charge a smartphone safely across a room