速さと柔軟性を両立――ソフトロボット用低電圧電磁アクチュエーターを米大学が開発

米カリフォルニア大学サンタバーバラ校のYon Visell教授らの研究チームは2018年5月21日、ソフトロボットやウェアラブルデバイス向けに、速さと柔軟性を両立した新しい低電圧アクチュエーターを発表した。研究成果は『Advanced Functional Materials』に掲載されている。

多くのソフトロボットは空圧や熱伝導を利用したアクチュエーターを搭載しているため、従来の剛体ロボットと比べると動作が遅く、動きもぎこちない。研究チームはこの問題を解決するために、従来のロボットで使う電磁駆動と、ソフトロボットで使う柔らかい素材を組み合わせて、高速・低電圧・柔軟な小型アクチュエーターを開発した。

アクチュエーターは、シリコンポリマー、磁性粉末(Nd-Fe-B)、液体金属(LM)合金(ガリウムインジウム共晶、EGaIn)から成る。LM合金を充填した伸縮性フィラメントをヘリカルコイルに使い、電気モーターに似た3D構造を作成した。熱伝導率を高め、高出力にも対応。実際にこのアクチュエーターを用いて、ミリ秒で閉じる大きさ数mmのグリッパーや、毎秒数百回の周期で動作する触覚フィードバックデバイスを作成した。

研究チームは、ハプティクス(触覚技術)を利用したVR(仮想現実)やAR(拡張現実)、皮膚に貼りつけるウェアラブルデバイス、内視鏡手術用などの医療向けミニロボットなど、さまざまな分野で利用できる可能性があると期待している。

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