自信の無さが科学のパフォーマンスを低下させるという研究――大切なのは周りとの交流

学校やクラス、職場が新しくなると、ふと「ここは自分がいる所ではないのかも」と不安が生じることはないだろうか。例えば、大学入学後に高校までとは違う学習スタイルに戸惑い、勉強に苦労することはよくあることだ。しかし、所属に対して迷いがあると、後のキャリアにも影響するという。

ユタ大学の研究チームは、STEM分野の1つ、化学を専攻する大学1年生が持つ所属意識への疑念と成績の間に、再帰的な関係があることを発表した。所属に対する不安感は中間試験の成績に影響し、試験の成績は所属に対する疑念につながる可能性がある。STEMコースで過小評価された学生たちはそうした負のスパイラルに陥り、「自分は科学に向いていない」と、科学者の道をあきらめてしまう恐れがある。

研究チームは、2020年の秋学期に725人の学生の同意を得て、化学の中間試験2回と期末試験1回の得点などを収集し、学期の最初と最後のアンケートから所属感を評価した。授業は、対面とオンラインのハイブリッド形式だった。結果は、2021年9月17日付けの『Chemical Education』に公開されている。

研究チームの予想通り、所属への疑念と試験の成績は互いに関連していた。おおむね学生の中間試験の成績は学期後半の所属疑念を予測し、疑念は期末試験の成績を予測することが分かった。

結果には男女差もみられた。90%以上の好成績を修めた男性は、所属への疑念が大幅に低下した。これは、自分の所属に対する強い安心感を示唆している。一方、女性は好成績を修めても、所属への疑念はクラス平均を下回らなかった。所属に対する疑念の高さは、女性のSTEM分野への定着率を低くする恐れがある。さらに、過小評価されたグループにいくつも所属している学生は、所属感と学業の負のスパイラルに陥るようだ。

この悪循環を断ち切るには、指導員や学生同士の関わりが重要だという。例えば、指導員が学生同士の交流を促進すると、学生は互いに知り合い、話し合い、視点を共有し、尊重するようになる。そうすると、ほかの学生も自分と似た経験を持ち、互いに助け合えると気付くだろう。能力は時や経験を重ねるうちに成長し、間違いも学習プロセスの一部だとも気付くだろう。

最後に、研究チームは学生に向けて「初等STEMコースで困難に直面しているのはあなただけではない。誰もが正しい学習スキルと支援を利用して向上できる。助けを求めることを怖がらなくていい。学習しながら、指導員や仲間、他の学問リソースのサポートを受けるべきだ」というメッセージを出している。

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