- 2016-12-27
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- Audi, BMW Group, CCS, Daimler AG, Ford Motor Company, Porsche, Volkswagen Group
BMW Group、Daimler AG、Ford Motor CompanyならびにVolkswagen Group(AudiおよびPorscheを含む)は11月29日、高出力充電施設ネットワークの構築に関する覚書に署名したと発表した。
このジョイントベンチャーの目的は、EVによる長距離旅行を可能にするため、ヨーロッパの高速道路や幹線道路沿いに高出力充電施設を数多く設置することにある。計画では、充電施設ネットワークの構築を2017年に開始し、当初はヨーロッパ域内で400カ所程度の設置を目指している。
この充電施設ネットワークの充電規格は「CCS(Combined Charging System)」。ドイツとアメリカの自動車メーカーが推進するEV用充電規格で、日本メーカー主導で先行する「CHAdeMO(チャデモ)」や米Teslaの独自システム「Tesla Supercharger」とは互換性はない。
急速充電では、短時間に大容量の充電が可能かどうかがポイントとなる。現状の急速充電ステーションは商用電源としてのインフラが充実している交流電源(AC)を使い、充電器内で直流(DC)に変換する50~100kWクラスのAC充電ステーションが主流だ。AC/DC変換を不要とすることで、より効率的な充電が可能となるDC充電ステーションは、一部のメーカーが独自に提供するにとどまっている。同ジョイントベンチャーでは、最大出力を350kWに引き上げたDC充電ステーションとし、超高速/高出力充電ネットワークの実現を目指している。
ヨーロッパにおけるEVの普及促進のため、このジョイントベンチャーによるDC充電施設ネットワークは、メーカーによらず全てのCCS対応EVを対象にするとしている。ネットワークは2017年に導入開始して2020年までに数千カ所に拡大する計画で、従来のガソリンスタンドでの給油とかわらない利便性をEVのドライバーに提供することを目指している。