野村総合研究所は2015年12月2日、コンピューター技術が与える社会的影響についての研究結果を発表した。同社のレポートによると、10〜20年後に国内労働人口のうち約49%が人工知能やロボットで代替可能になるという。
今回発表の研究では、労働政策研究・研修機構が国内の職業601種について収集した定量データをもとに、人工知能やロボットが代行可能な職業の就業者が就業者全体に占める割合を推計。その結果は米国の47%を2ポイント、英国の35%を14ポイントも上回る値だった。
上述の分析を踏まえて、野村総合研究所は人工知能やロボットによる代替可能性が高い/低い100種の職業をリストにまとめた。前者には特殊な知識やスキルを必要としない職業、ならびにデータ分析や秩序的・体系的操作を行う職業、後者には創造力やコミュニケーション能力を必要とする職業が多く見受けられる。
なお半導体技術者やソフトウェア開発者などのエンジニアは、いずれのリストにも含まれなかった。一方でNC研削盤工や自動車組立工などの製造工は、代替可能性が高い職業リストに散見される。製造業関連では、製造ラインで働く職種が危ういようだ。