- 2024-11-13
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韓国の蔚山科学技術院(UNIST)は2024年10月2日、同大学の研究チームが従来の化学接着剤を使用せずに、小面積から大面積まで効果的に亀裂を防止するプログラマブル・メタ・パッチ技術を開発したと発表した。パッチ型の接着剤で、接着強度を最大限に高めながら特定の方向に貼付可能だ。ウェアラブルデバイス、VR機器、ヘルスケア製品への応用が期待される。
高性能なスマート接着剤を実現するには、接着面における亀裂伝搬を正確に制御することが非常に重要だ。しかし、これまでの研究では、マイクロスケールあるいはマクロスケールにおける亀裂伝搬のみに焦点を当てたものがほとんどだった。今回研究チームが開発した接着剤は、マイクロアーキテクチャと巨視的非線形切断アーキテクチャを融合したハイブリッド接着剤で、マイクロスケールからマクロスケールまで、さまざまなサイズの表面に利用でき、効果的に亀裂を防止する。
このハイブリッドパッチは、六角柱微細構造、非線形切断、ひずみセンサーなどを薄膜に組み込んだ構成をしており、接着力は従来の接着剤の70倍だ。化学接着剤を用いないため、皮膚への刺激が抑えられ、再利用も可能だ。自然界から着想を得たデザインと切り紙から着想を得たメタ構造を組み合わせており、接着の強度と方向を必要に応じて調整できる。この適応性により、必要な箇所のみ効率的に接着することが可能になった。このパッチを利用して作製したウェアラブルVRデバイスは、全方向からしっかりと密着しつつ、皮膚刺激を最小限に抑えた。また、通気性も高く装着者の快適性も高い。
研究チームは、「バイオヘルスケアやウェアラブルデバイスにおける既存の皮膚接着技術には、化学接着剤による皮膚刺激や、再利用の難しさといった問題があります。私たちが開発した再利用可能な接着技術は、強力な接着力を維持しつつ方向性のある接着を行うことで、皮膚刺激を大幅に低減します」と述べている。既存の皮膚接着技術を凌駕したこのハイブリッドパッチ技術は、バイオヘルス分野で注目を集めている。
研究成果は、『Science Advance』誌に2024年9月11日付で公開されている。