- 2024-11-21
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- ADEKA, eVTOL(電動垂直離着陸機), HAPS(成層圏通信プラットフォーム), SPAN, うるたま, ドローン, リチウム−硫黄二次電池, 樹脂箔, 次世代二次電池, 正極材, 軽量Li–SPAN/樹脂箔パウチセル
ADEKAは2024年11月20日、うるたまと共同で、軽量二次電池「軽量Li–SPAN/樹脂箔パウチセル」を試作し、充放電と安全性(釘刺し)試験で重量エネルギー密度500Wh/kg以上と未発火を達成した。次世代二次電池向け正極材「SPAN」および樹脂箔から構成した正極を用いている。
現在電子機器に広く使用されるリチウムイオン二次電池(LIB)は、重量や安全性、寿命の点で課題を有しており、次世代二次電池の研究開発が進んでいる。中でもリチウムー硫黄二次電池は硫黄を正極に採用しており、レアメタルを用いない点や軽量な点が注目されている。
今回両社が試作した軽量Li–SPAN/樹脂箔パウチセルは、重量エネルギー密度が最大で552Wh/kgに達した。ADEKAの発表によると、現行のLIBの重量エネルギー密度は150〜350Wh/kgとなっている。
また、ソフトバンクや産業技術総合研究所、KISCOの協力を得て実証を実施した。満充電状態での試作セル(500Wh/kg級)に鉄釘を刺したところ、発火や発煙が生じないことが確認できた。
今回開発した次世代二次電池は、ドローンや電動垂直離着陸機(eVTOL)、成層圏通信プラットフォーム(HAPS)など、飛行体分野での用途が期待される。