新型の3D ToFセンサーを開発――より小型で高性能、消費電力も低減 TOPPANホールディングス

TOPPANホールディングスは2024年11月20日、新型の3D ToF(Time of Flight)センサーを開発したと発表した。2025年5月のサンプル出荷開始、2025年10月の量産開始を計画している。

同社は2023年、「ハイブリッドToF」と称する独自の技術を用いた第一世代の3D ToFセンサーをロボティクス向けに開発した。長距離測定や屋外測定、高速撮像、複数台同時駆動が可能となっている。ハイブリッドToFとは、ショートパルス型ToF方式とマルチタイムウインドウ技術を用いたセンサー制御を組み合わせたものだ。外光耐性に優れるほか、被写体ブレに強く、屋外環境で使用でき、高速で動く物体を捉えられる。

今回同社が開発した新型の3D ToFセンサーは、第一世代の性能を保ちつつ、HDR(ハイダイナミックレンジ)機能や画素ビニング機能(複数の画素を組み合わせ、見かけ上大きな1つの画素として扱う機能)を搭載した。さらに、HDR機能により、ToF方式が不得手とされる低反射率と高反射率の対象物を同時に捕捉することが可能となっている。

4×4画素ビニング機能では、16画素を1画素として扱えるため、SN比(信号とノイズの比)が第一世代の4倍となっている。加えて、センシングしたい画像エリアを切り出す機能も採用した。データ処理量の削減やデータ転送の高速化を可能としている。また、ディープパワーダウンモードを備えており、待機電力が5mW以下に抑制された。

さらに、センサー設計を改善することで入出力ピン数を削減しており、第一世代品と比べてセンサーサイズが約20%縮小した。小型の配膳ロボットやスマートグラス、ロボット掃除機などでの用途に適しているという。

小型ロボットへの3D ToFカメラ搭載イメージ

同社は、今回開発したToFセンサーやそれを採用したカメラ、周辺機器を含めて、2026年度中の売上高約15億円を目標に掲げている。

関連情報

TOPPANホールディングス、高性能で小型化・低消費電力化を実現した3D ToFセンサを開発 | TOPPANホールディングス株式会社

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