3Dプリント製品を革新するデータドリブン設計手法

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付加製造(AM:Additive Manufacturing)技術の発達により、医療用インプラントから航空機エンジンまで、様々な製品を3Dプリントで製造できるようになった。しかし、シンガポール工科設計大学(SUTD)は、AM技術の可能性をフル活用するためには、製品設計の固定観念を変える必要があるとして、3Dプリント製品の設計工程においてデータドリブン型手法を用いた全体論的アプローチを提案している。

AMは、従来からの製造プロセスに比べ製造上の制約が少なく、設計自由度が高いという特徴がある。このため、設計者は幾何学的形状、形態、構造および材料の膨大な選択肢から最適な設計を見つける必要がある。しかし、現在の設計手法とCADツールでは、高次元の設計空間を迅速に探索し利用する能力の欠如により、効率的に作業することは難しいという。

この課題に対処するため、設計探索プロセスでは、シンプルで計算の容易なサロゲートモデルを使用し、複雑かつ高忠実度のエンジニアリング解析モデルを近似して置き換え、設計空間を迅速に絞り込み、設計最適化を行っている。これらのサロゲートモデルは、マルコフ連鎖モンテカルロリサンプリング方法を使用して更新されたデータセットに基づいている。詳細は、ASMEの『Journal of Mechanical Design』に掲載されている。

この設計アプローチは、関節の回復プロセスを促進するために調整可能な機械的構造を備えた3Dプリント足首ブレースの設計で実証された。この足首ブレースは患者が快適に運動できる範囲内では非常に柔らかいが、範囲を外れると、その幾何学的形状により関節を負荷から守るために直ぐに硬くなる。研究者達は提案された設計アプローチを適用して、さまざまな領域で馬蹄形構造の幾何学の向きと寸法を最適化し、望ましい剛性分布を実現した。

論文の筆頭著者Yi Xiong博士は、「従来、設計者は製造上の制約によりこのような複雑な幾何学的形状の設計は思いもしなかった。しかし、今は3Dプリンタで容易に達成できる。我々の新しいアプローチは3Dプリント製品設計のパラダイムシフトを起こし、このような最適化された製品の製造を可能にする」と述べている。

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SUTD Researchers Revolutionize 3D Printed Products with Data-Driven Design Method

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