エンジニアリングの成績を上げる新教育法、力よりも先にエネルギーを教えるのが有効か

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カンザス大学の研究チームは、大学物理の入門コースでは力よりも先にエネルギーを教えるべきであり、そうすれば、学生たちのエンジニアリングの成績が大きく向上する可能性があると発表した。研究結果は、2019年9月13日付けの『PHYSICAL REVIEW PHYSICS EDUCATION RESEARCH』に掲載されている。

大学物理の入門コースでは、まず力について学ぶのが一般的だ。微積分の計算が密接に関係するエネルギーについては、後から学ぶことが多い。

だが研究チームは、力よりもエネルギーを先に教えた方が有効ではないかと考えた。理由の一つとして、微積分を使う機会をより多く学生に与えられることを挙げている。

そこで、その考えの有効性を確かめるために、2015年秋から2019年春にかけて、カンザス大学で物理学入門講義を履修した学生を対象とする調査を実施した。

この講義は、物理工学の学位の取得を目指す学生のほとんどが履修するものだ。講義は2つに分け、一方では力よりもエネルギーを先に教え、他方では従来のカリキュラム通りに教えた。そして、どちらの方法で学んだ学生の方が、エンジニアリングの講義で高い成績を上げるかを調べた。

その結果、先にエネルギーを学んだ学生の方が、エンジニアリングの講義でもより高い成績を修める傾向にあることが分かった。特に大学進学適性試験(ACT)の数学のスコアが低い学生ほど、新しい教授法の恩恵を受けていたという。

研究チームの一員であるChristopher Fischer氏は、今回編み出したエネルギーを先に教える手法は、高校生向けの物理学の教育カリキュラムとしても有効かもしれないという。また、ほかの学部のカリキュラムの改善にも活用できるかもしれないと語る。

ただし、今回の調査結果からは、エネルギーを先に教える教育法が必ずしも有効だと結論付けることはできない。今回の調査で対象とした学生は数千人にとどまり、統計的に有意な結果とはいえないと、研究チーム自らが指摘している。研究チームは、新しい教育法の信頼性を高めるためには他の大学の協力が不可欠だとしている。

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RESEARCH SUGGESTS THERE’S A BETTER WAY TO TEACH PHYSICS TO UNIVERSITY STUDENTS

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