PUFを応用して食べられる「セキュリティタグ」を開発――医薬品の偽造を防ぐ

Purdue University photo/Jung Woo Leem

世界で取引されている薬の少なくとも10%は偽物といわれている。偽造医薬品は大きな問題となっており、アメリカでは偽造オピオイドにより46の州で死者が出ているという。日本でも、2017年1月にC型肝炎治療薬の偽造品が流通する事案が発生しており、強い衝撃をもって受け止められた。

そんな中、パデュー大学の研究者たちは、IoT機器の個体認証に使われる「PUF(Physically Unclonable Function/物理的複製困難関数)」を応用し、タンパク質でできた「セキュリティータグ」を薬に埋め込むことにより医薬品の真正性を保証する技術を開発した。

PUFは、半導体チップの製造過程で生じる物理的特性のばらつきをフィンガープリントとして使う認証技術だ。パデュー大学の研究チームは、シルクタンパク質と蛍光タンパク質を遺伝的に結合させ、薄く透明なフィルム状の「食べられる」PUFタグを作った。タンパク質のタグは容易に消化できるので、薬の一部にすることができる。

このPUFタグにさまざまなLED光源を当てると、蛍光シルクの微粒子が励起され、微粒子がシアン、緑、黄、赤の蛍光色を発光してランダムなパターンを生成する。このパターンのイメージをビット化して生成したセキュリティキーを使って、薬局や患者は薬が真正であることを確認できる。

パデュー大学のYoung Kim准教授は「一つ一つのタグはユニークで同一の物が存在せず、より高いセキュリティーレベルを提供する。患者はタグを検証でき、服用頻度や製造元に関する情報を得ることも可能だ」と説明する。

研究の詳細は、2020年1月16日付の『Nature Communications』に掲載されている。研究の今後について、Kim准教授は「次のステップは、蛍光画像を取得し、サーバーにアクセスして自動認証するモバイルアプリケーションの開発だ」と述べている。

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Edible ‘security tag’ to protect drugs from counterfeit

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