NASAの火星探査ミッション「Mars 2020」、探査機「Perseverance」にドローンを搭載――火星初の動力飛行を目指す

NASAは、2020年に打ち上げる火星探査用ローバーにドローンを搭載し、地球以外の惑星での初の動力飛行をテストする技術デモンストレーションを行う予定だ。

NASAが「Mars 2020」と呼ぶこの火星探査ミッションでは、2020年7月30日~8月15日に、フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から火星探査ローバー「Perseverance」を打ち上げる予定だ。このローバーは、火星の古代生物の痕跡を探し、岩石や土壌のサンプルの収集と回収を行うため、2021年2月18日に火星のクレーター「ジェゼロ」に着陸する予定となっている。

Perseveranceは、その下部に探査用ドローン「Ingenuity」を格納している。火星への降下と着陸の間は保護シールドで覆われているが、到着後にシールドが外され、地表へと安全に降ろされる。Ingenuityの重量は、地球上で4ポンド(1.8kg)程度、ローターの全長は先端から先端まで約4フィート(約1.2m)だ。本体には断熱材とヒーターがあり、繊細な電子機器を温かく保ち、火星の寒い夜も乗り切ることができる。

火星の大気は非常に薄く、地球の大気の密度の1%未満だが、Ingenuityは火星の薄い大気でもリフトオフできるほど強力だ。ソーラーパネルでリチウムイオン電池を充電し、火星の1日あたり90秒の飛行に十分なエネルギーを供給する。そして、最大90秒間、一度に約980フィート(300m)を、地表から約10〜15フィート(3〜5m)の高さで飛行する。一連の飛行試験は、火星での30日間にわたって行われる予定だ。

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