- 2023-7-19
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- Lockheed Martin, NASA, Quiet SuperSonic Technology(QueSST), X-59, スカンクワークス, 国際規制当局, 地上テスト, 超音速実験機, 超音速飛行, 飛行テスト
アメリカ航空宇宙局(NASA)の超音速実験機、「X-59」の飛行テストに向けた準備が進んでいる。NASAが2023年7月5日に更新したWebサイトの写真では、開発担当の米Lockheed Martinの先進開発計画部門である「スカンクワークス」の駐機スペースに、X-59の姿が写っている。
格納庫から駐機スペースへの機体の移動は、X-59の飛行準備開始という目標に到達したと考えられる。次の段階として、この航空機が安全に飛行できる能力を確認する「地上テスト」が控えている。
X-59の開発計画は、高度5万5千フィート(1万6764m)でマッハ1.42(時速1740km)での飛行を目標に、2016年に開始された。これは一般的な旅客機と比較してほぼ2倍の速度で、飛行時間を大幅に短縮する。
X-59の機能的な特徴は、超音速飛行時の大音響を抑制する「Quiet SuperSonic Technology(QueSST)」だ。同機はNASAのQuesstミッションの中心的な存在であり、超音速機による大量輸送の新時代を切り開く役割を期待されている。
NASAは今後、居住地域の上空におけるX-59の飛行テストを複数個所で実施し、超音速飛行に対する人々の反応をデータとして収集する。その集計データを、アメリカおよび国際規制当局に提供することで、陸域上空での商用超音速飛行の実現に貢献する可能性がある。