英国、ドローンの群れを撃墜する電波兵器を開発中――1発あたりわずか20円

英国国防省は2024年5月16日、電波を使って敵の電子機器を無力化し、複数のドローンを一度に倒す新兵器を英国軍向けに開発中だと発表した。今夏、英国兵士による大規模な実地試験が予定されている。

この多用途システムは無線周波数指向性エネルギー兵器(Radio Frequency Directed Energy Weapon:RFDEW)の1つ。電波を照射し、敵機の重要な電子部品を混乱させたり損傷させたりすることで、敵機を停止あるいは落下させるというものだ。具体的には、無線周波数エネルギーのパルスをビーム状に生成する。このビームは個々のターゲットに連続して高速で発射することも、ビームを広げてビーム内のすべての脅威に同時に対処することもできる。最大1km離れた標的まで効果を及ぼすことができるようになる予定で、その距離を延長すべく、現在も開発が進められている。

このRFDEWビームは、1発あたりわずか10ペンス(約20円)という低コストで運用できることが大きな特長だ。従来のミサイルベースの防空システムに代わる費用対効果の高いシステムとなっている。さらに、高度な自動化によって1人で操作ができるほか、さまざまな軍用車両に搭載可能で、モバイル電源を使用できる。

この技術は英国防衛科学技術研究所(Dstl)と防装備・支援本部(DE&S)の共同チームが、Project Hersaの下で英国産業界と協力して開発している。基地や重要な資産の保護/防衛に大きな役割を果たすものだとしており、英国軍は今後数年間この技術を使って作戦を行う予定だ。

関連情報

Cutting-edge drone killer radio wave weapon developing at pace – GOV.UK

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