豊橋技科大、交互配列を有するポリ乳酸合成法を開発――他のモノマーからなるポリエステルにも転用可能

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シンジオタクチック型ポリ乳酸の合成法とその球晶写真

豊橋技術科学大学は2018年5月11日、「シンジオタクチック型」ポリ乳酸の合成法を開発したと発表した。

ポリ乳酸は、トウモロコシやジャガイモ由来のデンプンなど、再生可能資源からの生産が可能なポリエステルだ。また、代表的な「生分解性高分子」でもあり、生体内で加水分解され、分解生成物の乳酸は人体に悪影響を及ぼすことなく代謝される。このような特性を利用して、組織再生の足場材料など医療用途や環境用途で用いられている。

そのモノマーである乳酸には鏡に映した関係にあるL体とD体が存在し、L体またはD体のみからなるポリ乳酸をアイソタクチック型ポリ乳酸と呼ぶ。また、両者が等量存在するポリ乳酸も存在し、L体とD体の乳酸がランダムに配列したアタクチック型、L体とD体の乳酸が交互に配列したシンジオタクチック型が存在する。しかし、アタクチック型ポリ乳酸の合成は容易であるのに対して、シンジオタクチック型ポリ乳酸を合成することは非常に困難だった。

そこで研究グループは、L‐乳酸1分子とD‐乳酸1分子からなる2量体を合成し、それをさらに繋げて高分子量化することで、L‐乳酸とD‐乳酸の純粋な交互共重合体であるシンジオタクチック型ポリ乳酸の合成に成功した。また、広角X線回折測定により、交互配列性がほぼ100%であることを確認した。

シンジオタクチック型ポリ乳酸は、アイソタクチック型ポリ乳酸よりも結晶化速度が高いため、製品の生産性に優れるという。また、シンジオタクチック型ポリスチレンでは、高い耐熱性と耐薬品性を持つため、ポリ乳酸においても、種々の特性が他のポリ乳酸とは大幅に異なることが期待されるという。さらに、この合成法は、乳酸と似た構造の他のモノマーからなるポリエステルに対しても適用できるとしており、シンジオタクチック型ポリエステルの合成も可能になると説明している。

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