- 2024-7-3
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- AI, CPU, Flow, Parallel Processing Unit(PPU), VC, エッジコンピューティングサーバー, オンチップメモリリソース, クラウド, スマートウォッチ, スマートフォン, パラメトリック設計機能, マルチコアCPU, 下位互換性, 並列処理
フィンランドのスタートアップ企業Flowは、2024年6月11日、あらゆるCPUの性能を100倍に向上させるという、「Parallel Processing Unit(PPU)」アーキテクチャを発表した。同時に、北欧のVCなどからの総額400万ユーロ(約6億9000万円)の調達も公表した。
PPUは、従来のCPUにおける並列処理の問題を解決するもので、あらゆるCPUアーキテクチャ、命令セット、プロセスジオメトリに統合できる。既存のソフトウェアと下位互換性があるため、PPU用に再コンパイルすることで大幅に高速化される。
従来のマルチコアCPUでは、共有メモリの参照処理に起因する実行速度の低下や、コア間通信ネットワークでの遅延の増大などの問題があった。PPUは、メモリにアクセスしながら他のスレッドを実行することで、メモリ参照の遅延を隠す仕組みを持っている。
PPUコアの数、機能ユニットの種類と数、オンチップメモリリソースのサイズなどは、Flowのパラメトリック設計機能によって広範なカスタマイズが提供される。性能や用途に応じて、PPUコア数のスケールアップにも対応する。
同社は、PPUを用途別に用意しており、スマートウォッチ等の小型デバイスには16コア、スマートフォンやPCは64コアのPPUが適合する。256コアのPPUは、AI、クラウド、エッジコンピューティングサーバーのような環境に適している。