日立金属は2018年10月24日、アモルファス金属「Metglas」を部分的に採用することで高効率化を図ったモーター鉄心構造を開発したと発表した。
同社が開発したモーター鉄心構造は、せん断加工したMetglasを鉄心のティースと呼ばれる部分のみに積層する。電磁鋼板ティースと比べて、ティース部の鉄損を110Wから26Wに減らすことができたという。
さらにこの構造を用いて、定格11kW/外径φ215×80mmのモーターを試作。超高密度ボンド磁石「HIDENSE」やエナメル線などのモーター用材料も使用したところ、モーター効率は97.2%と高効率になったという。これは国際電気標準会議(IEC)で現在策定議論中のモーターのエネルギー効率ガイドラインにおいて、最高水準の「IE5」クラスに相当する。
その上、試作したモーターは、市場で多く流通しているラジアルギャップ型モーターだ。現行の製造技術で生産できる固定子コイル構造を採用している。
今後は、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの駆動モーターへの適用を視野に入れた研究開発を進めていく。実証データとともにモーター用材料の新たな適用方法を提案していく考えだ。