- 2024-7-5
- 機械系, 製品ニュース
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スギノマシンは2024年7月4日、溶接板金業界向けに、独自のロボット制御とセンシング技術を組み合わせて、ティーチレスとワークのバラつきに対応する「溶接ロボットシステム」と、エッジの倣い動作をさせるバリ取りシステムを鋼板用に特化させた、「カエリ取りシステム」を開発したと発表した。 ロボットと、3Dビジョンカメラやロボットシミュレーションソフトなどのデジタル技術をパッケージ化している。なお、溶接ロボットシステムのスキャンデータ解析・補正システムは、リンクウィズとの共同開発となっている。
溶接ロボットシステムは、ロボットシミュレーションソフト「CROROROS」で動作検証し、作成したプログラムを送るだけで、溶接動作ができる。実ワークのエッジをスキャナーシステムで検出し、そのバラつきに合わせた動作経路を自動生成することでティーチレスを実現。大幅にティーチング時間を短縮することに加え、溶接経路精度を向上する。
可動域が広く長手方向のカスタマイズに対応する壁掛けタイプCRbと、協働ロボットCRXの2種類をラインアップ。どちらもTIG溶接仕様、ファイバーレーザー溶接仕様に対応し、標準で稼働状況のモニタリング機能を装備する。また、スキャナーシステム、ロボットシミュレーションソフト「CROROROS」、稼働管理モジュール「ViiNUS」も搭載。TIG溶接のみオプションとして、電極交換装置を用意する。
カエリ取りシステムは、薄板鋼板のカエリやドロスなどのバリ取りに特化したロボットシステムだ。ロボットシミュレーションソフト「CROROROS」で作成したプログラムを送るだけで狙ったエッジのカエリを除去できる。
ワークの種別や表裏は、3Dビジョンカメラで判別する。自動で、おおよその位置に置かれたワークの位置ずれを補正することでティーチレスを実現。壁掛けタイプCRbを採用しているため、加工範囲を広くとることができ、ワークの複数個取りにも対応する。さらに、自社製バリ取りツール「BARRIQUAN」で均一にカエリ取りができる。
また、ロボットシミュレーションソフト「CROROROS」、フローティング機構付きツール「BARRIQUAN」、ワーク固定用吸着パッド、稼働管理モジュール「ViiNUS」を搭載。オプションで、ツールチェンジャーを用意する。
CRbシリーズは、垂直または水平に直動軸を設け、そこにアームを取り付けた独自構造の多関節ロボットとして、溶接ロボットシステムはロボット CRb015H612、カエリ取りシステムはCRb020H610を使用。省スペースでコンパクト、高い剛性と直進性を有し、防水、防塵(ぼうじん)に対応する。どちらも6軸、可搬質量はCRb015H612が15kg、CRb020H610が20kgとなっている。
ロボットシミュレーションソフトのCROROROSは、使いやすいオブジェクト指向のUIを採用。簡単に干渉チェックから高度な工程検証まででき、直感的に操作できる。自社製CRbシリーズに加え、他主要メーカーのロボットにも対応。ロボット単体のみでなく、複数ロボットの同期動作や周辺装置を含むトータルシステムとして動作を検証できる。
ロボット装置の稼働監視モジュールは、工場生産性可視化システム「ViiNUS」の可視化モジュールの一つで、タブレットやスマホで自動運転中やトラブル発生などの稼働状況を素早くモニターできる。また、電圧や電流など溶接条件の変動も確認できる。
溶接条件などをセキュアな専用回線でクラウドに保存し、蓄積データから材質や形状における最適条件を見出すことを目指すモジュールで、そのまま工場全体の設備稼働を管理する「ViiNUS稼働管理」に接続できる。