段差や岩を乗り越える可変形状ホイール――水滴の表面張力から着想を得て開発

Credit:orea Institute of Machinery and Materials (KIMM)

韓国機械研究院(KIMM)は2024年9月2日、水滴の表面張力から着想を得た世界初の可変形状ホイール、および移動システムを開発したと発表した。このホイールは状況に応じて剛性を即時変化させることで、車いすなどが段差や岩といった障害に直面した際に、形状を変えて乗り越えて移動するような活用が想定されている。

このホイールは、複雑な機械やセンサーを使用することなく、外縁部のスマートチェーンブロックに伝わる力を変えることで、ホイールの剛性を変えることができる。通常時は剛性の高い円形の車輪だが、障害物の上ではその高さや形状に応じて柔らかく変形可能な状態に切り替えることができる。

スマートチェーンブロックの表面張力を制御するために内側でワイヤースポークがハブ構造でつながっている。ハブ構造が回転したり間隔が変化したりすることでワイヤースポークにかかる力が変化し、スマートチェーンブロックを引っ張る力が変わる。これは、水滴の表面張力の変化によって外側の液体分子を引っ張る力が変わり、円形を維持する力が強まったり弱まったりする状況と似ている。

KIMMの研究チームによると、この可変形状ホイールを装着した二輪の車いすであれば、18cmの段差を乗り越えられ、四輪の移動システムに応用すればホイール半径の1.3倍の高さの障害物も安定して乗り越えられるという。

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KIMM Press Release | Korea Institute of Machinery & Materials

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