大気からの二酸化炭素を回収する電気化学反応装置の開発

Rice University/YouTube

米ライス大学は2024年10月29日、同大学の研究チームが大気中の二酸化炭素を直接回収する、低消費エネルギーの電気化学反応装置を開発したと発表した。

温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)を大気中から直接回収する技術が開発されている。CO2は酸性のため、アルカリ性溶液に吸収させ、熱を加えてCO2を回収する。回収する温度が比較的低温であるアミン系吸収剤が最もよく使用されているが、強い毒性を持つ。水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリ吸収剤を使用した水溶液は、より環境に優しい代替品ではあるが、CO2の回収にさらに熱を必要とする。

研究チームは、多孔性固体電解質反応装置を開発し、CO2を吸収した水酸化ナトリウム溶液の電気化学的な分離生成に成功した。同装置は、化学薬品を消費せず、副生成物も発生しない。熱の代わりに電気的に、イオンの移動と物質移動を制御し、エネルギー障壁を低減する。

ライス大学のHaotian Wang准教授は、「本研究が、より多くの産業界が持続可能なプロセスを追求する動機付けとなり、ネットゼロの未来に向けた機運を盛り上げることを期待しています」と説明した。

同研究成果は2024年10月11日、『Nature Energy』誌に掲載された。

関連情報

Reactor developed at Rice could make direct air capture more energy efficient | Rice News | News and Media Relations | Rice University

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る