- 2025-2-5
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- 24時間365日稼働可能なカーボンフリー電力源, パデュー大学, 国際原子力機関(IAEA), 小型原子炉(SMR), 核プラント, 石炭火力発電所
米パデュー大学は2024年12月17日、同大学の研究チームが、すでに廃止しているものも含むインディアナ州の8つの石炭火力発電所が、小型モジュール炉(SMR)の導入地に適しているとする報告書を、インディアナ州エネルギー開発局に提出したと発表した。この調査研究は同州エネルギー開発局が30万ドル(約4700万円)で研究チームに委託したもので、最終報告書を2024年11月に同局が公表した。
研究チームは報告書の中で、SMRを「24時間365日稼働可能なカーボンフリー電力源」と評価し、増加が見込まれている同州のエネルギー需要に対応できると強調した。国際原子力機関(IAEA)はSMRを発電能力が300メガワット以下の原子炉と定義しているが、研究チームは最大出力500メガワットまでの従来の核プラントよりも小型な原子炉として取り扱っている。米連邦政府としてはSMRについて明確な定義を定めていない。
研究チームによると、同州のエネルギー需要は2022年から2030年にかけて最大3%増加すると見込まれている一方、過去20年間で、インディアナ州内で生み出した総電力量は26%減少したという。
研究チームが特定した8つの石炭火力発電所のうち、2つはすでに稼働を停止しており、「インディアナ州は石炭から原子力に転換することにより、エネルギーの安定供給と二酸化炭素排出量を実質的にゼロにできる」と報告書は指摘している。